日時: 2013年3月23日(土) 10時-18時 交流会18時-20時
場所: 東京大学本郷キャンパス工学部新2号館
(大会実行委員長メッセージ)
世界で最初に高齢化社会を迎えようとしている日本でこそ、直面する様々な問題を直視し、本質を見抜き、高齢化社会のビジネスの本来的な有り様を築きあげる 機会を得たと言えます。今大会では、「Ageless」ということで、20代40代60代と年を積み重ねていくのを素直に捉え、喜び、歳をとる事は素晴ら しいことだと思える社会とはどんな社会なのかを追求します。60歳になると定年です、と個々の体力や希望を考慮せず自動的にある区別をするのではなく、働 く意欲と能力をもったシニア層がその希望に沿って経験を活かしながら自己実現できるビジネス(モデル)について発表や議論をすることを企図しています。こ れにより労働人口減少や社会保障費抑制というマクロ課題にも応えられないかと期待しています。
基調講演は、元厚生労働事務次官の辻哲夫東京大学高齢社会総合研究機構教授にお願いしました。特別招待講演は、成熟社会の経済学を出版された前内閣府経済 社会研究所長の小野善康大阪大学社会経済研究所教授、東北大学からスマートエイジングを発信されている村田アソシエイツの村田代表取締役、そして海外のシ ニアライフの造詣が深い松田智生三菱総合研究所プラチナ社会研究センター主任研究員が登場します。どの方も、本テーマに関する日本の第一人者の方々です。
21世紀の国造りの要諦に触れるこのテーマを通じて、一緒にこれからの国の有り様を考える時間を共有しましょう。
また、学会初めての試みとして、ビジネスモデル大賞の発表を行います。
「独創性」「持続性」「共感性」の3つの視点から選んだ第一回受賞企業はどこか?
受賞理由や受賞スピーチから目からウロコの気付きを皆さんをに約束します。
多数のご参加をお待ちしています。
2013年春季大会実行委員長
中谷 幸俊
大会プログラム(2013.3.22 現在)
BM学会春季大会プログラム等_20130329_3_ck.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント [946.5 KB]
基調講演・特別講演
<基調講演>
木村 清一 氏
東京大学高齢社会総合研究機構 学術支援専門職員
(講演テーマ)「超高齢者の老いを考える」
(講演要旨)
身近に迫る超高齢・長寿社会に対応した「新たなまちづくり」を進めようと、2010年5月に千葉県柏市とUR都市機構と東京大学の3者が協定を結び、いわ ゆる「産学官が一体となった取り組み」をはじめました。このプロセスを紹介し、高齢者持つ能力と技術を活かした「生きがい就労」と住み慣れた家で安心して 暮らす「在宅医療の充実」の二つを柱とした「地域包括ケアシステム」について考えます。
(講演者略歴)
1974年千葉県柏市役所青少年育成行政担当。1986年消費者行政担当。1995年健康推進課長補佐。1999年健康推進課長。2002年高齢者支援課長。2007年保健福祉部次長。2008年保健福祉部長。
2011年3月柏市退職。2011年4月より現職。
現在、専門分野として、地方自治体の果たすべき役割を求め、
①市民との協働の在り方
②行政の市民活動支援施策
③人材育成への対応
④財源確保
などの視点から、長寿社会のまちづくりに取り組んでいる。
ホームページ> http://www.iog.u-tokyo.ac.jp
※ 基調講演を予定していた辻先生がよんどころのないご都合で講演できなくなり、同じ活動をされている東京大学高齢社会総合研究機構の木村学術支援専門職員が替わって講演いただくこととなりました。
<特別講演1>
村田 裕之 氏
村田アソシエイツ(株)代表取締役
(講演テーマ)「スマート・エイジング社会とシニアビジネスの役割」
(講演要旨)
高齢化率世界一、超高齢社会の日本は、社会の高齢化に伴う諸課題をより賢く解決する知恵が必要である。本講演では、筆者らが提唱しているスマート・エイジン グの概念と、本概念にそった実践活動および筆者のこれまでの事業開発活動も紹介する。そのうえで、超高齢社会の課題解決のために必要なシニアビジネスの手 法の勘所について述べる。
参考:シニアシフトの衝撃(ダイヤモンド社)、スマート・エイジングという生き方(扶桑社)
(講演者略歴)
1987年東北大学大学院工学研究科修了。わが国シニアビジネス分野のパイオニア。
多くの民間企業の新事業開発に参画し、シニア市場に造詣が深い。高齢社会研究の第一人者として講演、執筆も多数。国際情勢にも詳しく、海外からの招待講演依頼も多い。
経済産業省、内閣府、中部経済産業局などの委員会委員など多くの公職も歴任。
<特別講演2>
松田 智生 氏
三菱総合研究所プラチナ社会研究センター主任研究員
(講演テーマ)「海外に学ぶアクティブシニアのライフスタイルと日本での胎動」
(講演要旨)
エイジレス社会で求められるビジネスは何か?
フランスで進むシニアと若者の世代間同居、スウェーデンのシニア派遣事業や団地 再生、米国のリタイアメント・コミュニティなどの事例と共に、日本の各地で動きつつある潮流を紹介します。「シニアは社会のコストでなく担い手」、「市 民・地域社会・企業の三方一両得」の視点から、社会問題を解決するソーシャルビジネスの方向性を報告します。
(講演者略歴)
1989年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。専門は高齢社会における新産業創 造・地域活性化。
2010年、三菱総研の政策提言プロジェクト「プラチナ社会研究会」を創設。
文部科学省生涯学習ネットワークフォーラム企画委員、石川県ニッチトップ企 業評価委員、土佐経済同友会特別委員。
著書に「これから30年 日本の課題を解決する先進技術」、「3万人調査で読み 解く日本の生活者市場」(ともに日本経済新聞出版社:共著)
<特別講演3>
小野 善康 氏
大阪大学社会経済研究所教授(前内閣府経済社会研究所長)
(講演テーマ)「成熟社会の経済に必要な発想の転換」
(講演要旨)
経済の 目的とは国民の幸福な暮らしの実現であり、効率化や倹約はそのための手段にすぎない。生産力不足に悩む発展途上社会では、効率化や倹約による生産力拡大は 豊かな生活に直結した。しかし、巨大な生産力を手にした成熟社会では物が行き渡り、人々の欲望はお金に移って需要が不足し、長期デフレ不況に陥りやすい。 このとき重要なのは生産力拡大ではなく、余剰労働力を活用して生活の質を向上させる、新たな消費の創造である。
(講演者略歴)
1951年生まれ.専門はマクロ経済学,国際経済学.東京工業大学工学部卒,東京大学大学院経済学研究科修了・経済学博士.大阪大教授,東京工大教授,内閣府経済社会総合研究所長を経て現職.著書にMoney, Interest, and Stagnation (Oxford UP),Trade and Industrial Policy under International Oligopoly (Cambridge UP, 共著),『成熟社会の経済学』,『エネルギー転換の経済効果』(以上、岩波)など.
パネルディスカッション
(テーマ)「60歳以降どう働くか?」
パネリスト:
木村 清一 氏(前出)
松田 智生 氏(前出)
松林 光男 氏(ワクコンサルティング株式会社 社長)
淡輪 敬三 氏(タワーズワトソン 社長)、他
モデレーター: 松島 克守(ビジネスモデル学会会長)