小さな経済と地域新生

日時: 2015年3月28日(土) 10時-18時 交流会18時-20時
場所: 東京大学本郷キャンパス工学部新2号館

(春季大会実行委員長御礼あいさつ )

先日の春季大会では、多くの皆様にご参加いただき、誠にありがとうございました。
小さな経済と地域新生という、ビジネスモデルと一見関連性が無さそうに思われるテーマでしたので、これほどの反響をいただいたのは、嬉しい誤算でございました。
これも、ひとえに、実践に裏打ちされた確かな知見をご披露いただいた講師の皆様の高い見識と熱意、ならびに、地方からも多く駆けつけられた参加者の方々の高い知的好奇心の賜物と存じます。また、今回のテーマと関連のある学会員の学術研究発表や、ビジネスモデル大賞を受賞された八面六臂社の卓越したビジネスモデルの発表は、アカデミックとビジネス実践をつなげるという学会のユニークさを印象付けるものとなっていたのではないかと自負しております。
学会員の皆様、ならびに、今回初めてご参加いただいた方々、今後とも、このようなビジネスモデル学会のユニークな挑戦にご期待いただき、活動にご参画いただければ、大変ありがたく存じます。

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2015年春季大会実行委員長
西田 治子
(大会実行委員長 略歴)

オフィス・フロネシス 代表
一般社団法人 Women Help Women 代表理事

東京大学卒業後、シンクタンク研究員として、産業・社会の情報化政策関連の調査研究に従事。ハーバード大学ケネディスクールに留学後、1992年マッキンゼーに入社。コンサルタントを経て、北アジア地域のリサーチ・マネージャーとして勤務のかたわら、知の創出・イノベーションを可能とする組織作りをテーマに、講演・執筆等も行う。2011年、世界の起業家、イノベーター、起業促進機関と連携し、起業促進、ソーシャルイノベーションを推進する一般社団法人IMPACT Foundation Japanの創設に参加。2015年、IMPACT Foundation Japanで行っていた、縫製を通じた被災地女性の就業支援事業をもって独立、一般社団法人Women Help Womenを設立、代表理事に就任。女性による起業促進や、ソーシャルビジネスの普及に取り組んでいる。


(主な講演予定者)

渡辺 豊博 氏
グラウンドワーク三島 専務理事

(講演テーマ)地域資源を活用した「NPOビジネス」の新展開

(講師紹介)

三島で20年前にドブ川だった源兵衛川の清掃をたった一人ではじめたが、やがて、賛同者を巻き込んだ市民運動にして、清流を蘇らせた伝説の人物。イギリスのグランドワーク運動を参考に、地域起こしを展開、地元のシニアに運営させる街カフェ、環境保全の専門学校の運営、耕作放棄地の大規模開墾など、様々なプロジェクトを手がけている。

(講演要旨)

GW三島は、23年間にわたり、環境再生や地域再生などの公益的活動に取り組み、市内60箇所に実践地があります。3年前からは、空き店舗を活用した「NPOビジネス 」に取り組み、現在、3店舗を開店し、15名の高齢者を雇用し、年間約3千万円以上を売り上げています。規格外野菜や耕作放棄地を活用した農業再生事業を含めた、社会的企業の要素を内在したビジネス志向のNPOの新たな事業展開を紹介します。

(講師略歴)

農学博士
静岡県職員として農業基盤整備事業の計画実施に携わる。
生活・文化部初代NPO推進室長などを経て、2008年4月より都留文科大学教授。富士山学や市民活動論、地域環境計画ゼミなどを開講している。
グラウンドワーク三島をはじめとする9つのNPO法人の事務局長職を歴任。
地域づくりや水辺再生をしかける「まちづくりプロデューサー」の役割を、全国に先駆けて先導している。著書に「清流の街がよみがえった」「英国発グラウンドワーク」「富士山学への招待」「富士山の光と影」などがある。


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榎本 英剛 氏
トランジション藤野 トランジション・ジャパン 初代代表

(講演テーマ)トランジション藤野~持続可能なまちづくりの試み~

(講師紹介)

イギリスのトットナムで発祥した、再生エネルギーを中心にした街づくりへの転換を目指すトランジション運動を参考に、旧藤野町(現相模原市の一部)に住んで、地域の資源活用、持続可能な社会とコミュニティづくりを目的としたトランジション運動を展開している。

(講演要旨)

イギリスの小さな田舎町トットネスで2006年から始まったトランジション・タウンという市民運動。市民の創造力を活かしてまちを変化に強い持続可能なまちに段階的に移行していこうというこの運動は今や世界40か国以上の1000を優に超えるまちにまで広がった。日本では2008年に神奈川県の藤野を皮切りに広がり、現在全国で約50のまちが参加している。藤野電力、地域通貨よろづ屋、森部、お百姓クラブなどトランジション藤野から自然発生的に立ち上がり、多くのメディアで取り上げられるようになった、その一風変わったまちづくりのやり方やその背景にある考え方を紹介する。

(講師略歴)

トランジション藤野 発起人。よく生きる研究所、代表。2007年、イギリス北部スコットランドにあるフィンドホーンという世界的なエコビレッジにて持続可能な暮らしについて学ぶ中でトランジション・タウンに出会う。もともと人の可能性を引き出すコミュニケーション手法であるコーチングを専門とし、日本有数のコーチ養成機関であるCTIジャパン(現ウエイクアップ)の創設者でもある。「人の可能性を引き出す社会づくり」がライフテーマ。著書に『部下を伸ばすコーチング』(PHP研究所)、『本当の仕事』(日本能率協会)がある。


 

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大手 智之 氏
アソビズム 代表取締役社長

(講演テーマ)「長野門前で見た、若者 x 地域の可能性」

(講師紹介)

モバイル向けのアプリケーション開発をおこなうIT企業の経営者であり、率先して、長野に移住、善光寺の旅館を長野ブランチオフィスとして、地元コミュニティーの活性化、地元への就業機会の提供を目指している。

(講演要旨)

人口減少、少子高齢化、財政破綻、教育・医療問題など…
日本の地方にはたくさんの問題が山積みになっています。
しかも、こうした問題がそれぞれ個別の問題ではなくどれも密接に関係している事が、さらに状況を深刻にしています。

こうした中で、ネガティブな側面にばかり目を向けるのではなくむしろ地方だからこそ出来る「体験」や「環境資源」などに着目し、それらを積極的に活かしていこうと考える若者が増え始めています。

長野市の善光寺界隈では、5年前から地元の若い建築家などが中心となり、使わなくなった蔵や古民家をリノーベーションして、オフィスやカフェとして新しく再利用する活動が活発になってきています。

アソビズムの長野ブランチも100年前の古い旅館をリノベーションして、地方ならではの特徴的なオフィスとして、2014年にスタートしました。
長野で起きている具体的な事例も交えて、地域再生の鍵を握る若い人たちの活動についてお話ししたいと思います。

(講師略歴)

1974年 群馬県高崎市生まれ。
8 歳の時に父親のパソコンでプログラミングと出会い 兄弟・友人が喜ぶのが嬉しくてゲーム作りにのめり込む。
2002年 勤めていたゲーム会社から独立し、株式会社アソビズムを設立。
現在 90 名の従業員とともにゲームの企画・開発等を行っている。秋葉原にある本社オ フィスは「第 25 回日経ニューオフィス推進賞」を受賞。設立当初から新しいワークスタ イルを模索している。
2012年 娘の幼稚園選びを機に長野への移住を決意 2013 年 長野支社 愛称「長野ブランチ」を長野市に設立。
本社に続き「第 27 回日経ニューオフィス推進賞」を受賞する。また、長野ブランチ2 階の和室にて ICT ワークショップ「未来工作ゼミ」を開催。
ゲーム作りを通して「モノ作りの楽しさ」を伝えることにも取り組んでいる。


 

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引地 恵 氏
WATALIS 代表理事

(講演テーマ)感謝を包む手仕事で、幸せを世界に繋ぐ
~小さな本気が東北の未来を創る~

(講師紹介)

東日本大震災時、地元亘理町で学芸員をしていたが、震災を契機に地元の女性の活性化のため一念発起、地元で古い着物地を利用した袋にいれて贈り物をしていた風習を思い出し、古い着物地から袋物を考案販売する社会事業を開始、海外にも売り出そうとしている。

(講演要旨)

宮城県亘理町において、地域に受け継がれてきた文化や人々の思いを形にするWATALIS。女性達の手仕事によるものづくりを通して、地域住民が主体性を持ち「新しい東北」を創る推進力となることを目指す取り組みを紹介。

(講師略歴)

一般社団法人WATALIS 代表理事
1968年生まれ。宮城教育大学大学院卒業。
大日本印刷株式会社勤務を経て宮城県亘理町職員となり、社会教育主事・学芸員として地域づくりや民俗調査に関わる。
2012年3月に退職し、2013年4月亘理町に一般社団法人WATALISを設立。
亘理町史民俗編調査・執筆者。2014年度内閣府地域活性化伝道師。
2013年復興庁主催REVIVE JAPAN CUP 大賞、eco japan cup 入賞。
2014年第3回DBJ女性新ビジネスプランコンペティション震災復興賞受賞。
2015年JVA2015東日本大震災復興賞受賞。


高橋 幸司 氏
置賜自給圏推進機構 代表理事

(講演テーマ)置賜自給圏推進機構の目指すもの

(講師紹介)

山形大学大学院理工学研究科教授で専門は化学工学(液体混合工学)。日本最初の官学人事交流で3年間山形県職員として山形県科学技術政策の策定に従事。大学に復職後、ものづくり技術経営学(MOT)専攻の立ち上げを行い、一昨年より観光コースも設置。ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー長、国際事業化研究センター長を歴任。

(講演要旨)

置賜自給圏推進機構は山形県の南部に位置する置賜地域を一つの「自給圏」として捉え、県外への依存度を減らし、圏内に豊富に存在する地域資源を利用・代替していくことにより地域に産業を興し、雇用を生み、富と人材の流出を防ごうという目的で昨年の8月に設立された。再生可能エネルギー部会、圏内流通(地産地消)推進部会、教育・人材育成部会など8つの部会が活動しており、自立分散型社会の構築を目指している。その設立の目的と現在の活動状況を紹介する。

(講師略歴)

工学博士(東北大学)
H.11〜H.13: 山形県企画調整部企画調整課科学技術振興室副主幹
H.13〜H.14: 山形県商工労働観光部工業振興課研究・技術振興主幹
H.14〜 現在: 山形大学教授(工学部)
H.17〜H.21: 山形大学大学院ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー長
H.18〜H.21: 山形大学大学院理工学研究科 ものづくり技術経営学専攻長
H.21〜H.23: 山形大学国際事業化研究センター長
H.24〜 現在: 山形大学東北創生研究所産業構造研究部門長
H.24〜 現在: 一般社団法人置賜自給圏推進機構 代表理事


(パネルディスカッション)

(特別ゲスト)
熊野 英介 氏
株式会社アミタホールディングス 代表取締役会長兼社長
公益財団法人信頼資本財団 代表理事

(プロフィール)
アミタホールディングス株式会社 代表取締役会長兼社長。
1956年生まれ。
スミエイト興産株式会社(現・アミタ株式会社)に入社。1993年、代表取締役就任。
廃棄物を地上資源と捉え、「持続可能社会の実現は、未利用資源の利活用なくして実現不可能」というヴィジョンのもと、100%再資源化を実現する環境ビジネスを展開。それを基点として、企業の環境リスクを低減するコンサルティングサービスや、地域の未活用資源に価値を与える地域資源事業等を手掛ける。
2011年、東日本大震災直後に定款変更し、「自然資本と人間関係資本の増加に資する事業のみを行う」ことを宣言。
他に、公益財団法人信頼資本財団 理事長、特定非営利法人アースウォッチ・ジャパン 理事、一般社団法人ソーシャルビジネスネットワーク 副代表理事。
著書に「思考するカンパニー」、「自然産業の世紀」(共著)。

(特別ゲスト)
高橋 靖典 氏
トランジション藤野 コアメンバー

(プロフィール)
娘のシュタイナー学園入学に伴い、旧藤野町に引っ越し。藤野で展開するトランジション運動では、地域通貨よろづ屋、藤野電力、仕事と経済WGなどで主に活動。 その他藤野では農業生産法人 藤野倶楽部で体験農園を運営。
会員発表
[事例報告]
複雑で小さな世界におけるビジネスモデル試論
林田 収二 氏
古河電気工業株式会社 顧問

(略歴)
1948年 福岡県生まれ
1972年 京都大学理学部卒業、古河電気工業株式会社入社
2001年 米国International Components Technology Inc.(現American Furukawa Inc.) President &CEO
2009年 古河インフォメーション・テクノロジー株式会社 取締役副社長の後、代表取締役社長
2010年 ビジネスモデル学会運営委員
2011年 現職就任

企業勤務の傍ら、中小企業診断士・技術士として中小企業、ベンチャービジネス等の支援を行っています。物理学或いは数理科学的に社会的現象を説明している複雑ネットワークの科学に出会い、企業経営にも活用できるのではないかと可能性を感じ、ビジネスモデル試論に今回取り組んでみることにしました。

[事例報告]
持続可能な地域づくりと企業ビジネス:地域企業のソーシャ ル・アントレプレナーシップ
芳賀 和恵 氏
ドイツ日本研究所(DIJ)専任研究員

(略歴)
東京外国語大学卒業後 キヤノン勤務を経て、
2006年 ドイツのマールブルク大学経済経営学部卒業
2012年 同大学同学部にて博士号取得
2013年 5月よりドイツ日本研究所、経営・経済領域専任研究員。主に日本とヨーロッパで活動している。専門はイノベーション論およびアントレプレナーシップ。特に、高齢化社会のイノベーションおよび高齢化社会のポテンシャルについて研究している。

地方地域の持続性という包括的な課題への、経済学の観点からの取り組みを検討している。当事者独自の力による持続性獲得に興味を持ち、参与観察も含め、自分の目で確かめながら事例を研究中である。


[総合研究]鉄道経営を参考にした学校の上下分離経営の提案 ~地域活性は学校から~

江見 圭司 氏
京都情報大学院大学 准教授

(略歴)
灘高等学校卒業後、
京都大学理学部卒
京都大学にて博士(人間・環境学)取得
京都コンピュータ学院講師
金沢工業大学専任講師を経て現職。
現在
中国福建師範大学でも教鞭を執る。
ETロボコン関西地区実行委員長。

大学院生の頃から塾あるいはを経営したいという夢をもちつつ,不動産を所有していないので断念する。一方,1995年の阪神大震災に被災して,学校が被災地の拠点になっていることを知りることになり,学校設備を借りて学校を経営をできないかと思っていると,被災した阪神電気鉄道が上下分離で新線をつくる構想の発表があり,この構想へ結びついていった。
専門分野:オブジェクト指向モデリング、eラーニングにおけるインストラクショナル・デザイン、数式のウェブ表示MathMLなど
電力自由化で電力会社の発電事業と送電事業を分離することが目前に迫っていますが,このように上下分離は身近になりつつあります。学校経営は学校設備をもつオーナー自身しか学校経営をできないのではなく,独自の教育哲学を持った者が学校設備を安い費用で借りて,教育を行うことを主張する発表です。

bizmodelorg

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