再生可能エネルギーのビジネスモデル

日時: 2012年10月20日(土) 10時-18時 交流会18時-20時
場所: 東京大学本郷キャンパス工学部新2号館 (アクセス)

2012年秋季大会を終えて

(大会実行委員長メッセージ)

10月20日(土)に東大本郷キャンパスにて開催しましたビジネスモデル学会2012年秋季大会は、「再生可能エネルギーのビジネスモデル」を テーマに、圧巻とも言える内容の講演とパネルディスカッション、そして約120名の参加者を交えての熱のこもった質疑や議論を通して、非常に盛り上がり、 密度の濃い一日となりました。まことにありがとうございました。
今大会を成功裏に開催させていただくことができましたこと、ご講演者並びにご参加の皆様のお蔭様と、心より御礼申し上げます。

基調講演では、原子力発電の本質と実態をとらえた迫力あるご講演に震撼させられると共に日本の再生可能エネルギーの現状と将来を俯瞰することができました。また「日本が再生可能エネルギー大国になる」ために年間五万円/人の投資の重要性を知見とできました。
特別講演では、まず太陽光発電に焦点を当てながら、再生可能エネルギーの全体像と21世紀の太陽経済の展望、事業化事例について、現地現物に基づく多面的ご講演をいただき、再生可能エネルギーの可能性に希望を見出すことができました。
相反方式のマイクロ水力発電は、水資源豊富な日本にとり大きな潜在力を持つ秘密兵器であることを実感しました。「地産地消」型発電利用形態は、地域起し、 地方活性化にも繋がる効果を持っており、エネルギー問題だけでなく社会問題解決策ともなりうるものと言えます。またマイクロ風力や潮力、波力等への応用展 開も期待されます。
燃料電池は、厳密には再生可能エネルギーの範疇には入らないものの、環境にやさしい分散電源としての特性を活かして、日本の今後のエネルギー問題解決策の有力な一手段となりうるものであることを確信できました。
再生可能エネルギー利用面から、従来の車の常識にとらわれない地域密着型の電気自動車利用を提唱、分散型電源としての再生可能エネルギーの活用や蓄積も視 野に入れたビジネスモデルをご紹介いただき、再生可能エネルギー生成面だけでなく、その利活用面にも目を向ける必要性を実感しました。
電力使用 量の低減を図ると同時に、電力需給関係を利用した取引を可能にする「ネガワット/デマンドレスポンス」という新たなビジネスモデルをご説明いただき、再生 可能エネルギー比率を高め、有効活用するために運用管理の仕組みの重要性と有用性を確認することができました。
会員発表においても、「地産地消」型グリーンエネルギー活用の実践例や風力発電商用化促進研究等、再生可能エネルギー活用への推進力が遍在していることを認識しました。
パネルディスカッションにおいては、世界の再生可能エネルギーへの投資状況を踏まえ、今後目指すべきエネルギーミックスの方向性、低炭素社会実現との整合 性を持った道筋について活発な議論をしていただき、再生可能エネルギーの将来展望に関する知見を深めることができました。

今回、ご講演 とパネルディスカッションを通じて、大会のキーワードに掲げた「集中から分散へ」、「地産地消」、「イノベーション」、「パラダイムシフト」について議論 願い、イメージアップしていただけたのではないかと考えます。また今後日本の政官学民のもてる力を結集すべき方向性を提示していただいたことにも、大きな 意義を感じています。
大会終了後の交流会においては、当学会のもつオープンかつ活発な議論を誘引するよき雰囲気が遺憾なく発揮され、談論風発、交流会の場も大いに盛り上がりました。
また、今大会をきっかけに当学会にご入会いただいた方、運営委員をお引き受けいただくことになった方もおられ、出会いと繋がりの重要性を改めて感じた一日でもありました。

最後に大会を円滑に運営するため、縁の下の力もちとして多大なご尽力をいただいた、運営委員等関係各位に謝意を表し、次回大会の更なる進化を期待して、今大会実行委員長の御礼のメッセージとさせていただきます。
ありがとうございました。

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2012年秋季大会 実行委員長 林田 収二


大会プログラム詳細(10/20現在)
121020_大会プログラム当日配布用.pdf
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121020_大会プログラム当日配布用

講演者経歴(10/19現在)
121019_講演者経歴.pdf
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121019_講演者経歴


基調講演・特別講演

<基調講演>

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北澤 宏一 氏
福島原発事故独立検証委員会委員長

(講演テーマ)「日本は再生可能エネルギー大国になりうるか」-福島原発事故の検証からー

欧州がすでに達成した電力の30%を目指す再生可能エネ本格導入が日本でも始まります。現世代の国民が子どもたちにどれだけ安全な環境を遺そうとするかのバロメーターで世界と日本の子どもたちの注目するところです。大人たちの努力の度合がこれからの日本の子どもたちのモラルの高さを決めると考えます。再生可能エネは地域分散型の発電所を全体として広域自律制御する必要がでてきます。そのための新規産業は日本の農村や漁村の所得倍増を生み出し、数十年の後に内需倍増につながる「国家百年の計」の始まりです。


<特別講演1>

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藤原 洋 氏
株式会社ブロードバンドタワー代表取締役会長兼社長CEO

(講演テーマ)「太陽光発電の可能性」-風力、地熱と比較して-

3.11東日本大震災と東電福島第1原発事故を契機として、中長期的課題として火力・原子力中心の集中型発電を代替する再生可能エネルギー産業の振興が求 められている。本講演では、中でも最も注目を集めている太陽光発電の可能性について、技術面、経済面、制度面から展望すると共に、風力、地熱などの他の選 択肢の持つ可能性と役割についても併せて述べることとする。


<特別講演2>

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桑野 和雄 氏
株式会社協和コンサルタンツ 常務執行役員

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金元 敏明 氏
国立大学法人九州工業大学大学院 工学研究院教授

(講演テーマ)「経済性と資源活用のエッジの追及、マイクロ水力発電」

昨今、小水力発電の可能性が議論されるとともに、未利用包蔵水力を利用する試みが全国各地で始まっている。我々は、これまで水力発電の対象外とされていた 地域が、新型マイクロ発電技術により、巨大な電源供給サイトとなり、国内外への大きなインパクトを与えるものと確信している。ここでは、新技術の概要を示 し、新たなビジネスモデルにより、実現されるマイクロ水力発電利用が地域や社会に与える影響について報告する。


<特別講演3>

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穴水 孝 氏
東京ガス株式会社 燃料電池事業推進部長

(講演テーマ)「燃料電池の潜在力」

米国宇宙計画で誕生。46年前ジェミニ5号に搭載、アポロ、スペースシャトル計画で成功を収めた燃料電池だが、民生用への転用、事業化は長い苦難の歴史で あった。技術イノベーションと商品化に向けた官民一丸となった取り組みにより、2009年家庭用燃料電池はエネファームという統一名称で世界で初めて商品 化された。3.11以降電力の自給自足の必要性が高まり、燃料電池等分散型電源の普及拡大が社会的要請になっている。ここでは、家庭用燃料電池(エネ ファーム)の商品化の歴史と、事業の現状、今後の戦略を紹介し、燃料電池を起点に広がる将来事業ビジョンに言及する。


<特別講演4>

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中島 徳至 氏
Uzushio Electric
E-Trikes Business unit 経営責任者

(講演テーマ)「車中心の社会から、社会中心の車へ」-車社会のパラダイムシフト-

「車中心の社会から、社会中心の車へ」の社会的パラダイムシフトには、電気自動車の普及が不可欠であり、次世代の車社会構築には、従来の自動車業界の成功体験等前例にとらわれず、再生可能エネルギーの活用も含めた新たな破壊的創造への挑戦が必要である。
14年間電気自動車業界に関わってきた経験に基づき、政府、業界、市場の動きに対して実際に取ってきた行動とプロセスを紹介し、時代の転換期における課題と解決策に焦点をあてつつ、大手自動車メーカーには実行が困難な新たなビジネスモデルについて技術経営目線で述べていきたい。


<特別講演5>

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池田 元英 氏
株式会社エナリス 代表取締役社長

(講演テーマ)「エナリスのデマンド・レスポンスとネガワット取引の取組み」

BEMS(Building and Energy Management System)アグリゲータである当社は「FALCON  SYSTEM」を展開しています。メーカーではなくサービサーとして、ソフト面での電力削減を提案しています。例えば、気象予報士が天候を加味した需要予測を行い、事前対策を可能とします。また新サービスとして、電力需給の逼迫時に節電して頂いた分を報酬として受け取る『ネガワット/デマンドレスポンス』を展開しています。このような全く新しいエネルギーサービスのビジネスモデルにつき、紹介いたします。


パネルディスカッション

(テーマ)「再生可能エネルギーのビジネスモデルを考える」

パネリスト: 江本 英史 氏(日本政策投資銀行 産業調査部課長)
北澤 宏一 氏 (前出)
藤原 洋 氏 (前出)
池田 元英 氏 (前出)
モデレーター: 松島 克守(ビジネスモデル学会会長)

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江本 英史 氏
日本政策投資銀行産業調査部課長

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松島 克守
ビジネスモデル学会会長


会員発表

【研究論文】生活用品の小売流通ビジネスに関する研究―販売価格と購買に関連するコストに基づく購買行動の予測と市場占有率の変化

松島 和史(東京大学 工学系研究科 システム創成学専攻 博士課程)
田中 謙司 (東京大学 工学系研究科)

【事例報告】高知発グリーン・エネルギー化モデルの構築と実践~「枯れない油田プロジェクト」構想の実現に向けて~

佐藤 暢(高知工科大学 社会連携専門監)
永野 正展(高知工科大学 地域連携機構 地域活性化室長・特任教授)
永野 正朗(高知工科大学 地域連携機構 社会マネジメントシステム研究センター 助手)

【研究論文】新技術の事業化におけるビジネスモデルと政策支援の評価― 産学連携における技術移転モデルによる風力発電の事例分析―

宮坂 輝彦(芝浦工業大学 大学院工学研究科 博士課程)
加納 信吾(東京大学大学院 新領域創成科研究科 特任教授)

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